"; include ("top.php"); ?>

インタビューシリーズ第4回
ロバート・ゴールドマン氏

Dr. Robert Goldman
米国アンチエイジング医学会理事長

米国アンチエイジング医学会
American Academy of Anti-Aging Medicine(略称:A4M)

アンチエイジング国際シンポジウム&エキスポ東京2006 (AISET)



はじめに [インタビューを見る]
A4Mは世界で最大のアンチエイジング医学団体です
 [インタビューを見る]
アンチエイジングは、病気にならないようにするという積極的な予防医学です [インタビューを見る]
先端テクノロジーも未来志向のアンチエイジング医療に役立っています[インタビューを見る]
アンチエイジング医療の世界的リーダーを日本の医療専門家や市民のみなさんにお引き合わせしたい[インタビューを見る]


  はじめに

「第一回アンチエイジング国際シンポジウム&エキスポ東京2006(AISET2006)」が今年6月16日〜18日に東京で開催されます。 日本および世界のアンチエイジング医学や産業の動向をとらえることができる「AISET2006」は世界最大のアンチエイジング医学団体である米国アンチエイジング医学会(A4M=エイフォーエム)が公式開催するもので、日本では世界の先端アンチエイジングのリーダーが一同に集う初のイベントとなります。医療、ヘルスケア、美容関係者はもちろんのこと、一般の方からも大変注目されています。

ロバート・ゴールドマン氏はA4Mの理事長であり、世界のアンチエイジングをリードするキーパーソンのひとりです。ゴールドマン氏にA4Mやアンチエイジング医療についてお話を伺いました。

◇◇◇

A4Mは世界で最大のアンチエイジング医学団体です

A4Mは世界で最大の非営利のアンチエイジング医学団体で、最新技術を活用し、老化による病気の検査、予防、治療を行うことをめざしています。

インターネットにA4Mのサイト(http://www.worldhealth.net/)があります。このサイトは非常に有用です。医学の雑誌に載ったアンチエイジング関連の速報を全部載せているので情報を得ることが出来ます。A4Mはたくさんの本や雑誌も出しています。

A4Mは医学団体として1992年に医師12人で始めました。現在では世界70数カ国に1万4000人の会員がいます。これまでに医師2万5000人、医療・健康技術者25万人をトレーニングしてきました。A4Mは世界ではじめて「アンチエイジング医学」という分野を創設し、内科、栄養学、美容学、運動医学、デトックスをはじめとするアンチエイジング医療のパイオニア医師を世界中に育成、組織化してきました。

アンチエイジングを勉強されている医師の多くが、まず個人的な興味からこの道に入っています。A4Mに加盟している医師は総合診療科医、内科医、ホルモンがわかる医師などを中心に救急医療専門医など全身がわかる医師、歯科医、栄養学、美容医学、運動医学など、各科のバリアがなくいろいろな先生が入っているのが特徴です。内科医とか歯科医がディスカッションしたり、さまざまなつながりを持っています。

アンチエイジング医療は従来からの医学だけでなく、生化学、生物学、生理学、心身医学、スポーツ医学などさまざまに誕生しつつある新しい医療技術にかかわっています。アンチエイジングというのは一つの専門領域になりつつあります。

◇◇◇

アンチエイジングは、病気にならないようにするという積極的な予防医学です

アンチエイジングの治療というのは内科や外科やすべての分野で、最先端の知識や技術を利用して患者さんの治療にあたることです。これまでの医学は、病気になったら治すという面がありました。アンチエイジングは、病気にならないようにするという積極的な予防医学です。アンチエイジングというのは非常に未来に向けての医療であるということが言えると思います。

病気は大きく4つに分類できますが、その内の3つ(遺伝性疾患、感染症、外傷)の医療費の合計は10%程度です。90%は死に至る前の2〜3年の治療費なのです。米国では年間7000億ドルの保健医療費の50%が年齢関連性の変性疾患の為に費やされています。一億人以上が変性疾患の治療を受けています。この傾向は米国だけでなく世界中でほぼ同じです。老化の進行を遅らせることができたなら、全疾患の50%以上をなくす事ができます。老化による疾患を予防することによって、患者の健常化だけでなく社会的経済問題をも改善できることになります。これは非常に大きな意味があります。

皆さんは、日常的に運動していますか?将来的にはすべての方が運動やサプリメントを日常の生活に加えていただくというのが簡単な取り組みやすい手段になると思います。

◇◇◇

先端テクノロジーも未来志向のアンチエイジング医療に役立っています

医療業界の技術は劇的な成長をとげています。その技術の一つが遺伝子治療です。遺伝子の組み換えによって体の機能を治療するという手段です。将来的には注射や薬を使わず遺伝子を組み換えることによって遺伝的原因による疾患の治療が出来ると思います。

もう一つはナノテクノロジーで、これは日本が最も進んでいる国の一つだと思います。将来的には薬を口からのむのではなく、鼻から吸いこんだりして直接肺に送り込むことも出来るようになると思います。

もう一つの分野はクローン技術です。これは研究室のレベルから臨床試験に入っています。心臓の手術や膝の手術をしないで、増やした細胞を幹部に注射することによって治療することもできるようになります。すでに脳や心臓、関節の治療に使われています。クローン技術は医療業界の治療方法を大きく変える技術です。

40才代以上の方は、ただ単に病気を治療するのではなく、病気を予防するというケアを求めています。介護に頼らないで自立して健康な生活を送るためには、このアンチエイジング医療の領域は避けては通れない領域になると思います。今私たちの生活がコンピューターや携帯電話なしで考えられないように、将来はアンチエイジング医療がなくてはならないものになるでしょう。

アンチエイジング医療というのは非常に未来志向の治療方法といえます。医療関係の皆さんがアンチエイジング医療を学ぶことによって未来にむけての治療ができると思います。

◇◇◇

アンチエイジング医療の世界的リーダーを日本の医療専門家や市民のみなさんにお引き合わせしたい

A4Mはアメリカ以外でも25ヶ国で国際学会を行っています。今年2006年には初めて日本で開催されることになりました。今回の東京大会の目標はアンチエイジングの臨床とケアの分野でのグローバルスタンダードを見ていただくことです。

東京大会のプログラムの一つはA4Mを中心とするシンポジウムです。シンポジウムではジェネラルセッションとワークショップが並行して開催されます。
ジェネラルセッションは50人を超える講師がアンチエイジング医療について多様な角度からプレゼンテーションします。
ワークショップでは1.バイオ・アイデンティカル・ホルモン療法、2.美容形成・皮膚科、3.栄養療法、4.運動療法、5.炎症とペインマネージメント、など8つのテーマが予定されています。臨床医の皆さんがすぐに使える実践的な手法が豊富に開示されます。
また、アンチエイジング診療所の開業のために開業マネジメントの講座も予定しています。

国際的な評価の高いアンチエイジング医療の世界的リーダーを日本の医療専門家や市民のみなさんにお引き合わせし、日本のいろいろな分野のみなさんにアンチエイジングを深く認識していただく機会にしたい、それが私の最大の願いです。今年は世界6ヶ国で行いますが、日本で行われるものは一番パワフルなものになるでしょう。

AISET2006は今年の6月16日から18日まで開催されます。その会場でみなさまにお目にかかれることを期待しています。ぜひ、ご参加ください。

 (会見日 2005年11月19日)